3. BtoB?それともBtoC?
3.1 BtoBとBtoCってなに?
調べればすぐわかるので、あまり詳しくは述べませんが、要は「会社にとって誰が客か?」ということですね。
・BtoB (Business to Business)…お客さんが会社とかの法人
・BtoC (Business to Consumer)…お客さんが個人
自動車会社で例えると前者がトヨタとかホンダ、後者がいすゞとか日野というかんじになるでしょうか。
トヨタの車なら稼げば我々サラリーマンだって買うことができますが、日野の車を「よーし、ボーナス出たからパパ頑張って日野の2トン買うぞ~」とはならないですよね。
日野の2トンを買うのはあくまで、宅急便とか佐川急便とか法人なわけです。
つまり、"to business"。
一方、パパも買えるトヨタは"to consumer"
もちろん、トヨタはタクシーをはじめ法人向けの車も作っているわけですから、100% BtoCというわけでもないですけどね。
3.2 就職におけるメリット・デメリット
じゃあ、「実際、就職するならどっちがいい?」というのが気になるところですよね。
私も学生時代、このことで少し考えたことがあります。
というわけで、ここでちょっと整理しようと思います。
3.2.1 BtoBのメリット・デメリット
(1) デメリット: 知名度が低い
就活生が気にするデメリットは、なんと言っても知名度が低いことでしょうか。
BtoCの会社はCMなんかをバンバン打ったりして、そんなに規模が大きくない割に有名な会社があったりしますが、BtoBはそうではありません。
仮に素晴らしい会社に就職したとして「俺、○○に就職したんだぜ~」って自慢しても周りの反応は「ふ~ん」で終わります。
悲しいですね。
世間に出ても製品を見ることがなかなかできない点も知名度が低い原因でしょう。
BtoC製品である自動車は街中で見かけられても、BtoB製品である1個1個の部品までは誰も気にしないわけです。
みんな売上1.3兆円のダイハツは知っていても、1.5兆のジェイテクトは知らないのです。
(2) メリット: 安定している
個人的には「安定している」という言葉ほど信用できないものはないと思っています。
世間では優良企業であったはずの東芝が、シャープが、サンヨーが、タカタが、カネボウが、山一証券が、今はどうなったでしょう?
東日本大震災後は「東京電力は国有化すべき」なんて議論された時期もありました。
JALも一度倒産、大量リストラしていましたね。その後、奇跡の大復活を遂げますが。
他にもソニーや日立のようにどん底から復活を遂げた企業ももちろんありますが、どんな会社もダメになるときはダメになるのです。
ただ、おそらく全体的にはBtoBの方が安定する傾向があるのかな~・・・とは思います。
BtoBの場合は、お客さんの好みがそこまで変化しないからですね。
携帯電話市場を見るとわかりやすいかもしれません。
00年代までは、国内の携帯電話市場といえば、三菱電機、ソニー、松下、シャープ、富士通、NEC、サンヨー…と、日本の電機産業を代表するメーカーたちが幅を利かせていたわけです。
10年代となり、iPhoneやgalaxyの登場でそれがどうなったか。
消費者というのはメーカーなんて置き去りにして、瞬く間に心変わりするものなのです。
一方で、コンデンサーをコツコツ作り続けてきた村田製作所は、スマートフォンの伸びに呼応して、売上げや利益がバンバン伸びていったわけですね。
3.2.2 BtoCのメリット・デメリット
(1) デメリット: 不安定
BtoBのメリットをひっくり返しただけですね。
面接なんかで使える戦法です。
ただ、不安定とは書きましたが、今も残るBtoCはわりと安定しているのではないか、なんて書きながら思ってきました。
上で書いておいて、舌の根も乾かぬうちに、ですが。😀
もちろん、サービス業なんかは国内で激しい競争を繰り広げているので、安定にはほど遠いでしょうが、「電気系が活躍できる分野」に限ると、ある程度は中国・韓国との競争に淘汰され尽くしているのではないでしょうか。
携帯・テレビ・パソコン・白物家電…一昔前は国内の花形産業であったこれらの分野は、今では活躍するにも間口は小さいでしょう。
先ほども少し述べましたが、「安定性など気にしてたってしょうがない!」というのが私の持論です。
私が就活してたときは東芝は絶好調で、ソニーが絶不調でした。
三菱自動車は社会人になった後、燃費データ偽装が発覚し、日産の傘下になりました。
東洋ゴムも免震ゴムの偽装を受け、タイヤ以外の部門を切り離しました。
ずーっと安定していたいなら、公務員になるべきでしょう。
ただ、郵政事業みたいに民営化されることもあるので、やはり絶対の安定というのは存在しないのと思うのです。
(1) メリット: 有名
人に自慢したいなら、BtoCは必須ですね。
売上1.5兆の日本電産より、2000億のカゴメの方が女子受けは良いでしょう。
問題はそのことがどれだけ自分の人生において重要か、ですね。
本当に重要ならば食品メーカーや航空会社をバンバン受けると良いでしょう。
電気系は女子受けの良い会社にも門戸を開いてくれているはずです。
人生うまくいく人っていうのは、こういうときにおくびにも出さずにサントリーかなんかを受けて、内定をかっさらうんでしょうね。
3.3 感想
就活当時を振り返って思うと、なんてしょうも無いことを私は考えていたのだろうかと思います。
BtoBとBtoCの差なんて大したことないんですよね。
あるかどうかわからない安定と、周りの反応が「ふーん」から「へー!」になるくらいの差。
そもそも、世の中には星の数ほど会社はあるのに、BtoBか、BtoCかで分けて考えている時点でナンセンスですよね。
でも、そんなことがとても大事なことに思えていたんですよね。
結局、あの時、私が出した結論は「BtoBに絞る」でした。
安定しているだろうと考え、全く興味の湧かない電子部品メーカーだとか、鉄道会社(これはBtoCですが)なんかの会社見学をしてみたりしてました。
結局、土壇場で某自動車メーカーの推薦を取ってみたりして、落ちたりしたのですが。
安定だ何だと考えず、もっと素直に自分のやってみたい・興味の湧くことへ走っていたら、もしかしたら、もう少し違った結果があったかもしれません。